肥満大国アメリカでは、日本古来からの和食に注目が集まっています。ご飯は炭水化物ですが、季節の野菜や魚を主体とする食事が実は健康に良いということが判ってきたのです。第二次世界大戦後に日本人の食生活が欧米化し成人病が増加したのもうなづける話です。それには、干物や漬物などの歯ごたえのある食事をすることによって脳の活性化にもつながるということも言われています。そんな和食の中でももっとも特徴的なのが魚の干物ではないでしょうか。もともと腐敗しやすい魚を保存食として加工したのがはじまりで、各地方で発達してきたのが干物ですが、生魚に比べると天日に干すことによって栄養価が増加するといった副作用もあり、現在その効果は再評価されています。また干物にはそんなことを考えなくても居酒屋で頼むホッケや、ご飯とお味噌汁と鯵の干物といったら日本の朝ごはんとして定番中の定番です。旅館の朝定食にはパンと牛乳ではおかしいですよね。世界的に魚を食べる食文化が広がりを見せていますが、やはり日本人としてはおいしい干物が食べたいものです。しかし、肉などの価格は安くなることがあっても、グラム単位に換算すると魚という食べ物は実はかなり高価な部類に入ります。しかも、冷凍・冷蔵技術が飛躍的に発達した現代であっても、やはり漁港近くで食べる干物はスーパーで売っているものと比べれば明らかに味が違います。では、どうすればおいしい干物を手に入れることができるでしょうか。ひとつは、自宅で手作りすること、もうひとつは通信販売を活用するということです。

干物作りの工程:魚をひらく

干物の手作りというとなんだかとても難しそうですが、実はたいしたことはありません。要するに、魚を切り開いて塩水につけて太陽の下で干しただけと考えたら特別な技術も調理道具も必要ないことがわかるのではないでしょうか。魚をさばいたことが無いという人でも簡単です。まずは魚屋さんで鯵を一尾買ってきましょう。一度に沢山は大変でも、一尾くらいなら短時間でできてしまいます。魚のさばき方はまずは内臓を取り除くことから始まります。腹側の真ん中に包丁で切り開いて、ちょっと気持ち悪いですが指で中身をかき出します。出し終えたら中身をよく水洗いします。次に、開いた腹の部分に包丁を入れて腹側の身を中骨に沿って切り開き、そのまま背側も切り開きます。身を切り分けたら頭を割るようにして全体を開きます。寿司にするわけではないので包丁捌きが少々下手でも問題ありません。骨の周りについている身がこんがり焼けているのはおいしいものです。開き終えたら全体を水で洗ってから塩水につけます。塩分を20%くらいにした塩水をボウルやバットに作っておき15分から20分ほどつけておきます。塩水を使わずに塩を直接振る手法もありますが、初心者にはハードルが高いので、濃度が均一になる塩水を使うのが無難です。塩水から魚をあげたら、表面を手でかるくなでるようにして塩水を落としておきます。身崩れを防ぎ、水分の抜けすぎを防ぎます。後は天日干しにするだけですが、ひとつポイントがあります。

干物作りの重要なポイントと裏技

それは炎天下などの強い日差しは避けたほうがよいということです。強い日差しにさらされると表面だけが乾燥して干物にヒビが入ってしまうことがあるからです。天気がよすぎるときは風通しのよい日陰に干しても十分なのです。また、家庭で屋外に干す場合は天敵にも注意する必要があります。それは野良猫と鳥と虫です。塩水につけたとはいえ要するに生魚ですので、彼らには大好物となってしまいます。最近では100円均一にも干物用のネットが売っていますし、洗濯用のネットやボウル型のザルなどをかぶせておくだけでも良いでしょう。干す時間は2,3時間といったところですが、天候や温度によっても左右されます。表面がツヤツヤとしてきたら出来上がりと考えてください。後はこれを焼き網でじっくりと焼き上げれば、世界にひとつだけの干物を味わうことができます。さて、ここまで読んでそれでも手作りは面倒という人には通信販売をお勧めします。相手の顔が見えない通信販売は不安なものですが、良質な店舗を見分ける良い手があります。それは実に簡単で、どれくらい長く通信販売を続けられているかという一点で判断できます。もし品質に問題があるようであれば、2ちゃんねるなどで批判されたり、楽天などの運営主体によってあっという間に不良業者は駆逐されてしまうものです。従って、ユーザーの評価も参考にしますが、ネット通販の老舗イコール優良店舗と考えてもほとんど差し支えありません。特に食品関係の悪い評判はすぐに広まるので、生き残っている業者のものにまずはずれはありません。